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2014年4月11日金曜日

筒井康隆『文学部唯野教授のサブ・テキスト』(文春文庫)

『唯野教授』が面白かったので関連書籍も購入。驚いたのは「自分だっていつ人殺しをするかわかんないって想像できない人が小説家やっちゃいけない」といった表現だ。そういえば20年前はこういうことけっこう聞いたのに、どうしていつの間にか作家といえば、人前でなんとなく立派なことを言う常識人、というイメージになったのだろう。ほんの少し前の本なのに、まるで日本語を使う別の国の作品のようだ。
「これどこかで読んだなあ」と思わせるのが大衆文学とか、理論を学びすぎると無意識が出てきにくくなるとか、卓見が目白押しである。 それにしても筒井康隆は本当によく勉強している。それだけでも圧倒された。ガダマー読もう。ハイデガー読もう。