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2016年12月20日火曜日

『本の雑誌』11月号の新刊めったくたガイド書きました

『本の雑誌』2016年11月号の新刊めったくたガイド書きました。
http://www.webdoku.jp/
取り上げた本は以下の通りです。

ペーター・シュタム『誰もいないホテルで』(松永美穂訳、新潮社)
戌井昭人『酔狂市街戦』(扶桑社)
渡辺京二『私のロシア文学』(文春学藝ライブラリ)

スイス文学って面白いな、とシュタムの本を読んで思いました。常に森と人との関係が描かれる、という点では辺境文学と言っていいでしょう。ドイツ語圏の現代文学をもっと読んでみたくなりました。
戌井さんの作品はどれも大好きなのですが、これもものすごく染みました。動物とふれあう人の澄んだ目に惹かれるところなんていいなあ。渡辺京二のプーシキン『オネーギン』読解は素晴らしかったです。日本の知識人がはずっと頭でっかちでしかなかった、という指摘は本当にそのとおりです。