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2016年3月12日土曜日

『本の雑誌』4月号の新刊めったくたガイド書きました

『本の雑誌』4月号の新刊めったくたガイドを書きました。
http://www.webdoku.jp/
取り上げた本は以下のとおりです。

イアン・マキューアン『未成年』(村松潔訳、新潮社)
ロマン・ロラン『ピエールとリュース』(渡辺淳訳、鉄筆文庫)
ヴラジーミル・マヤコフスキー『150000000』(小笠原豊樹訳、土曜社)

マキューアンの作品にはめちゃくちゃしびれました。輸血拒否裁判がテーマになっているのですが、実はそこが重要ではなく、人生には論理だけでない、無根拠な愛としか言いようのないものが大切なんだ、という展開が素晴らしい。本当に、いつかノーベル賞を取ってほしい作家です。
ロランの古典的な作品ですが、感覚が現代的で驚きました。本当に、第一次世界大戦で死に怯える若者たちの心が、今のものとして迫ってきます。ロランはすごい作家だと思いました。こういう純粋な恋愛もいいですね。ガラス越しのキスとか、最高です。
マヤコフスキーの詩は好きで大学生のころよく読んでいました。こうした本を出してくれる土曜社には感謝です。ソ連は無くなってもマヤコフスキーの詩は消えないところに文学の力を感じました。