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2014年11月20日木曜日

『週刊読書人』にクッツェー、オースターの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』書評を書きました

2014年11月14日付けの『週刊読書人』にクッツェー、オースターの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』の書評を書きました。
http://www.dokushojin.co.jp/
今どきオースターがタイプライターで書き封書で送ると、クッツェーがファックスで返事を返すという書簡集が、どうしてこんなにもスリリングなのでしょう。大の大人が本気になって対話をするとき、そこに誰も予想しない素晴らしいものが下りてくるというのは、ソクラテス以来の真実のようです。
クッツェーが他者の言語としての英語で書くことの意味について語れば、オースターはチャールトン・ヘストンとの偶然の出会いに驚いて見せる。この往復書簡集は、クッツェーとオースターどちらの読者も喜ばせてくれるというだけでなく、二人の創作の秘密も垣間見せてくれます。
二人の訳者であるくぼたのぞみさんと山崎暁子さん、本当にお疲れさまでした。おかげで良い読書ができました。