2018年12月15日の『朝日新聞』朝刊書評欄で坂口恭平『建設現場』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/12011613
簡単な言葉で書かれているのになかなか頭に入ってこないという不思議な文章に、最初読み手は当惑すると思います。でもそれは、これが文学作品だとかアートだとかいう先入観を持っているからです。虚心に言葉の流れに没入しているうちに、やがてこの本を読むためのモードがじわじわとわかってきます。この作業が気持ちいい。
坂口恭平はいつも本当に攻めていますね。分かる分からないの向こう側に突き抜けると、生きるという言葉だけが残ることが実感できます。こんな特別な読書体験をくれる坂口さんには感謝しかありません。