『週刊新潮』2018年2月1日号でズウミーラ・ヒベイロ・タヴァーリス『家宝』について書きました。
ここで全文を読むことができます。
https://www.bookbang.jp/review/article/546566
これを読むと、ブラジル文学がいかに成熟しているかがわかります。ゲイである事を隠して生きる判事の結婚をきっかけに嘘が嘘を呼び、だからこそそこに禁断の愛の真実が生じる、という展開はとても高度です。しかも家宝であるルビーの真贋が比喩としてずっと展開されるというのもお洒落。
今まで中南米文学はスペイン語圏のものしか読んでいなかったのですが、どうしてどうして、ポルトガル語圏のものも、また違った味わいで多いに楽しめますね。お勧め。