都甲幸治の仕事
ページ
ホーム
2014年4月12日土曜日
筒井康隆『文学部唯野教授の女性問答』(中公文庫)
これも『文学部唯野教授』の関連本である。軽い問答形式だが、言っていることは深い。
宗教は「他人の不信心を軽蔑するための宗教であってはならない」とか、社会正義とは「自分の身の安全や利益を考えて権力のいいなりに」ならないことだ、だとか、本当に大事なことが書いてある。寛容さや批判的精神について語るなんて、まるでジョン・ロックやルソーのようではないか。だいたい、アリストテレスの理論について本気で解説しようとする作家なんて見たことない。
筒井康隆の真面目さと倫理性がよくわかる本。
次の投稿
前の投稿
ホーム